人はさまざまな理由で失踪してしまいます。例えば、金銭や仕事のトラブル、駆け落ちなど、失踪する理由は人によって異なります。
失踪してしまうとそれまでの生活を送ることが困難になるのが一般的です。では、失踪者はどのような生活を送っているのでしょうか。
この記事では失踪者の失踪後の生活や行動パターン、失踪者の探し方などを解説します。
失踪者の生活は失踪までの流れで異なる
失踪者がどのような生活を送っているのかは、失踪までの流れで異なるのが一般的です。失踪までの流れは大きく次の2つに分けられます。
- 突然の失踪
- 計画的な失踪
失踪者がどのような経緯で失踪したかをもとに、生活を探ってみましょう。
突然の失踪と計画的な失踪を比較すると、前者の方が命にかかわる危険な状況に陥っている可能性があります。そのため、突然失踪した人がいる場合は早めの捜索が必要です。
突然の失踪
仕事のストレスや不倫や浮気相手との駆け落ちといったように、突然失踪してしまう人がいます。
突然失踪してしまった人は、失踪にあたっての準備が整っていません。そのため、ネットカフェや知人の家で寝泊りしていることが多いでしょう。
また、十分な資金を用意していないために、失踪からしばらくすると路上で生活せざるを得なくなる人もいます。
突然失踪してしまった人は住む場所だけでなく、仕事にも困ってしまうケースがあるでしょう。突然の失踪では事前に勤務先を決められないため、日雇いや週払いの仕事に従事している可能性があります。
計画的な失踪
突然の失踪に対して、計画的に失踪した人はさまざまな準備を練っています。例えば、失踪後の住まいとして、事前に賃貸契約を結んでいる可能性があるでしょう。
また、定職に就き、当面の生活に困らないだけの貯金を用意しているケースが考えられます。
計画的な失踪をした人の場合、これまでの関係者からの連絡を絶つために携帯電話を変えているかもしれません。
また、DVやストーカーが理由で失踪した人であれば、住民票に閲覧制限をかけていることも考えられるでしょう。
失踪者の年間の割合は?
失踪には突発的なもの、計画的なものがあり、それぞれで失踪後の生活は異なります。では年間ではどれくらいの人が失踪しているのでしょうか。
警察庁『令和4年における行方不明者の状況』によれば、令和4年に警察に届け出が提出された失踪者の人数は84,910人でした。(※1)令和2年が77,022人、令和3年が79,218人だったことを踏まえると、3年の間で増加傾向にあることが分かります。
(※1)警察庁:令和4年における行方不明者の状況(P3)
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/R04yukuefumeisha.pdf
失踪してしまう理由は?
警察庁が失踪者の人数だけでなく、失踪理由についても発表しています。警察庁の発表では失踪理由の内訳は次のとおりです。(※2)
失踪原因 | 令和2年(人) | 令和3年(人) | 令和4年(人) |
---|---|---|---|
疾病関係(うち認知症) | 23592(17,565) | 23308(17,636) | 24719(18,709) |
家庭関係 | 12,894 | 12,415 | 12,899 |
事業・職業関係 | 7,821 | 8,814 | 9,615 |
学業関係 | 1,688 | 1,750 | 1,771 |
異性関係 | 1,307 | 1,240 | 1,272 |
犯罪関係 | 415 | 420 | 407 |
その他 | 14,649 | 15,477 | 17,147 |
不詳 | 14,656 | 15,794 | 17,080 |
総数 | 77,022 | 79,218 | 84,910 |
失踪理由のうち最多を占めているのが認知症を含む疾病関係です。疾病関係による失踪は計画性が少ないため、突発的な失踪と考えられるでしょう。そのため、疾病関係で失踪してしまった人はすぐに捜索をスタートする必要があります。
一方、事業・職業関係や学業関係で失踪してしまった人は計画的な失踪が想定されるでしょう。
(※2)警察庁:令和4年における行方不明者の状況(P5)
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/R04yukuefumeisha.pdf
失踪者の失踪中の行動パターン
失踪者は失踪中に次のような行動パターンを取る可能性があります。
- 住んでいた場所より少しでも遠くに行こうとする
- 携帯電話を入手しようとする
- 偽名で宿泊施設を利用する
- 住みつく場所が見つかるまで転々とする
- 職務質問を避ける
上記のような行動パターンを参考に、失踪中の失踪者捜索に役立てましょう。
住んでいた場所より少しでも遠くに行こうとする
失踪者は、住んでいた場所より少しでも遠くに行こうとするのが一般的です。これまで住んでいた場所の近くにいると、親族や知人に出くわす可能性があります。
親族や知人に出くわしてしまっては連れ戻される可能性があるでしょう。そのため、失踪者は住んでいた場所よりも少しでも遠くに行こうと考えます。
携帯電話を入手しようとする
失踪者はこれまでの関係を絶つために、従来使用していた携帯電話を解約もしくは破棄します。しかし、携帯電話を使用しなくなるわけではありません。
携帯電話は失踪者が新たな生活を送るうえで欠かせません。そのため、新たに携帯電話を入手しようと行動するでしょう。
偽名で宿泊施設を利用する
失踪者はよほど入念に計画を練っていない限り、最初のうちは住む場所が見つからないでしょう。そのため、ホテルをはじめとした宿泊施設を利用するのが一般的です。
宿泊施設を利用する際は、捜索を逃れるために偽名を使用する失踪者もいます。
一定のお金がある人であれば偽名であっても宿泊施設を利用可能です。しかし、資金に余裕がない人の場合、ホテルではなく漫画喫茶やカラオケなどを転々とする可能性があります。
住み着く場所が見つかるまで転々とする
先述のように失踪者は定住する場所が見つかるまで転々とします。
一般的に部屋を借りるには連絡先や個人を証明する書類、さらには敷金や礼金、一ヵ月分の賃料が必要です。特に敷金や礼金、一ヵ月分の賃料をすぐに用意するのは、失踪者には困難でしょう。
そのため、日雇いや週払いの仕事で資金が用意できるまでは、各所を転々としなければなりません。
職務質問を避ける
失踪者は職務質問を避ける傾向にあります。失踪者によっては、親族や知人が警察に捜索を依頼しているかもしれません。
警察の職務質問を受けたことをきっかけに、情報が親族や知人にいく可能性があります。そのため、失踪者は職務質問を避けて行動するようになるのが一般的です。
失踪者を見つける方法
失踪者を見つける方法として以下が挙げられます。
- 個人で探し出す
- 警察に相談する
- 探偵に依頼する
いずれの方法で失踪者を見つけるにしても、早めに行動に起こすことが大切です。失踪者の捜索が遅れてしまうと、命や健康に影響を及ぼしかねません。
個人で探し出す
個人で失踪者を探し出す際は、具体的に次のような方法を取ります。
- 失踪者がよく訪れていた場所を訪ねる
- 携帯に連絡してみる
- インターネットやSNSで情報を集める
- ビラ配りや近隣住民に聞き込みをする
失踪者がよく訪れていた場所を訪ねる
個人で失踪者を探し出す際は、失踪者がよく訪れていた場所を訪ねてみましょう。例えば、失踪前によく訪れていたコンビニエンスストアや公園などを訪ねてみます。
また、失踪者が知人宅に身を寄せている可能性があるため、思い当たる人の家を訪ねてみるのも効果的です。
携帯に連絡してみる
失踪者がそれまで使っていたスマートフォンを継続して使用している場合、携帯に連絡してみましょう。失踪者のスマートフォンにメッセージや電話をすることで、返答を得られる可能性があります。また、スマートフォンのGPS機能で位置を特定できるのであれば、試してみましょう。
インターネットやSNSで情報を集める
インターネットやSNSは失踪者の情報を集めるのに効果的です。インターネットの失踪者捜索サイトやSNSに失踪者の情報を掲載することで、有益な情報を得られる可能性があります。
特にSNSであればユーザーによって情報が拡散されるため、直接の知り合い以外からも有益な情報を得られるかもしれません。
なお、インターネットやSNSで情報を集める際は失踪者の情報に注意しましょう。失踪者の個人情報を無断でインターネットやSNSに掲載してしまうと、プライバシー侵害に問われかねません。
ビラ配りや近隣住民に聞き込みをする
失踪者についてのビラ配りや近隣住民に聞き込みをすることで、失踪者の情報を得られるかもしれません。失踪者のビラ配る際も個人情報の取り扱いに注意が必要です。
近隣住民に聞き込みする際は、自身の身分をしっかりと伝えましょう。自身の身分となぜ失踪者のことを知りたいのかを伝えることで、近隣住民から有益な情報を得られる可能性が高まります。
また、近隣住民に聞き込みをする際は身なりを整えておくことも大切です。身なりが乱れていると、聞き込みをした相手から疑われてしまいます。
警戒心をできるだけ和らげるために、聞き込みをする時間帯や話しかけ方などにも注意しましょう。
警察に相談する
失踪者の捜索には警察に相談することも可能です。警察に行方不明者届を提出することで、失踪者を捜索してくれる可能性があります。
しかし、行方不明者届は誰でも提出できるわけではありません。失踪者と次のような関係がある人のみ提出可能です。
- 親権者、後見人
- 配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)
- 現に監護する者
- 福祉事務所の職員
- 上記の他、同居人、雇主その他社会生活において密接な関係を有する者
行方不明者届の提出先は、行方不明者の住所もしくは直前まで住んでいた住所を管轄する警察署です。
なお、行方不明者届を提出したからといって、警察が必ずしも捜索するわけではありません。
一般的に警察は事件性が疑われる失踪について捜索をします。そのため、自発的な失踪や駆け落ちなどは捜索が進みづらい可能性があります。
探偵に依頼する
探偵は浮気調査だけでなく、失踪者の捜索も依頼可能です。そのため、失踪者がどこに行ったのか探しているという場合は、探偵に依頼を検討してみましょう。
探偵に失踪者の捜索を依頼する場合は、失踪者についてなるべく多くの情報を共有することが大切です。多くの情報を共有すれば、探偵の調査にかかる期間を短縮でき、調査費用も抑えられます。反対に情報が少ないと探偵の調査期間が長くなってしまい、調査費用もかさんでしまう可能性があります。
探偵に捜索を依頼する3つのメリット
探偵に失踪者の捜索を依頼することのメリットは次の3つです。
- 事件性がなくても捜索が可能
- プライバシーを侵害するリスクを減らせる
- 専門家につなげられる
探偵に捜索を依頼すれば、法的なリスクを抑えて失踪者を見つけられます。
事件性がなくても捜索が可能
警察に捜索を依頼する場合、事件性がなければ捜索を進めてくれません。そのため、事件性のない失踪は捜索をしてくれません。
一方、探偵であれば事件性がない失踪であっても捜索を依頼可能です。
プライバシーを侵害するリスクを減らせる
個人で失踪者を捜索する場合、方法によってはプライバシーを侵害してしまうかもしれません。プライバシーの侵害に罰則はありませんが、相手から損害賠償を請求される恐れがあります。
一方、探偵であれば失踪者の捜索にかかわる法律を把握しています。そのため、プライバシー侵害をはじめ、法律に抵触するリスクを減らせます。
専門家につなげられる
探偵のなかには、調査終了後に弁護士やカウンセラーなどの専門家を紹介してくれるケースがあります。
失踪者のなかには心的なストレスを抱えている人もいます。そのため、探偵の捜索後に専門的な知識を持つカウンセラーを紹介してもらうことで、失踪者のストレスをケアできるでしょう。
探偵に失踪者の捜索を依頼するのであれば、専門家を紹介してくれる探偵を検討してみるのがおすすめです。
失踪者は早めに捜索することが大切
失踪者の生活は失踪のパターンによって異なります。例えば、突発的に失踪した人であれば、住む場所を確保できず最悪路上で生活しているかもしれません。
そのため、失踪者は早めに捜索することが大切です。
失踪者は警察に捜索を依頼できますが、事件性がなければ捜索が進みづらい傾向にあります。事件性がなくても失踪者を捜索するのであれば、探偵に依頼しましょう。
探偵であれば事件性がない失踪であっても捜索してくれます。また、法的リスクを抑えて捜索が可能です。
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