ストーカー被害は放置していると大きな問題に発展しかねません。対処しようとしても、方法を誤ってしまうと相手を逆上させる恐れもあります。そのため、適切な方法で相手と対峙しましょう。
この記事ではストーカーに効く言葉や避けるべき行動、相談すべき専門機関などを解説します。
【状況別】ストーカーに効く言葉

ストーカーに効く言葉は状況によって異なります。ここでは初期段階、エスカレートしている段階ごとに、ストーカーに効く言葉を解説します。
初期段階
ストーカーによる被害が初期段階の場合、次のような言葉が効果的です。

恋人がいるので連絡は困る



忙しくて対応できない
恋人がいるので連絡は困る
ストーカーが自分に対して好意を持ち、連絡を取ろうとしてきた場合、「恋人がいるので連絡は困る」と伝えるのは有効な方法です。この言葉は、既に他に関心を持つ相手がいることを示し、相手に対して自分のプライベートな空間を尊重してもらうための一歩となります。
言葉を投げかける際は、できるだけ穏やかに、しかし決して曖昧にしないようにしましょう。冷静な態度で伝えることで、ストーカーに誤解を与えず、必要以上に接触を避けることができます。
忙しくて対応できない
仕事や生活に忙しいことを理由に、連絡や会話を避けることも有効な対応です。「今はとても忙しいので、これ以上は対応できません」といった表現を使うことで、相手に今後の接触を控えさせる効果があります。この時、大切なのは、その後の対応について明確にし、何かしらの期待感を抱かせないようにすることです。
エスカレートしている段階
ストーカー被害がエスカレートしている段階では次のような言葉で、相手と距離を取りましょう。



連絡してほしくない



迷惑になっている
連絡してほしくない
ストーカーがますますしつこく連絡してくる場合、感情的にならずに冷静に「連絡してほしくない」と伝えることが求められます。相手にこれ以上の接触を望まないことを明確にすることで、相手に対する強いメッセージを伝えられるでしょう。
例えば「これ以上連絡を取ることはできません」といった断定的な言い回しを使うことで、相手に自分の意思を尊重するよう促すことが可能です。
迷惑になっている
もしストーカーが自分の行動を無視し、さらに迷惑をかけてくる場合、「あなたの行動が迷惑になっている」と直接的に指摘することが有効です。この言葉は、相手が自分の行動を客観的に見直すきっかけを与えます。言葉自体には強い主張が含まれるため、伝える際は冷静なトーンで話すことが大切です。
【男女別】ストーカーに効く言葉
ストーカー行為に対する対応は、相手の性別や状況に応じて異なります。男性の場合、女性の場合で有効な言葉は異なりますが、共通して大切なのは冷静かつ毅然とした態度で対応することです。ここでは男女別にストーカーに効く言葉を解説します。
ストーカーが男性の場合


ストーカー行為をしているのが男性の場合、次のような言葉を投げかけてみましょう。



異性として魅力を感じない



知人に相談している
異性として魅力を感じない
ストーカーが男性の場合、「異性として魅力を感じない」と伝えることは有効です。この言葉は、相手に対して感情的なつながりを持っていないことを明確に示し、誤解を防ぐために重要です。
男性は、相手が自分に好意を持っていると勘違いして行動することが多いため、早い段階でこうした意思表示をすることがストーカー行為のエスカレートを防ぐために効果的です。
知人に相談している
男性がしつこく接触してきた場合、「知人に相談している」と伝えることも有効です。この一言で、ストーカーは他人の目があることを意識し、これ以上の行動を控える可能性が高まります。
特にストーカーが自分の行動に対して自信を持っている場合、周囲に相談している事実を伝えることで、行動を自制させることが期待できます。
ストーカーが女性の場合


ストーカーが女性の場合、次のような言葉の効果が期待できます。



ストーカー行為は犯罪にあたる



恐怖を感じている
ストーカー行為は犯罪にあたる
ストーキングをする女性に対しては、「ストーカー行為は犯罪にあたる」と直接伝えるのが効果的です。この言葉は、相手に自分の行為が違法であることを明確に伝えるものです。ストーカー行為をエスカレートさせないためには、法的なリスクを認識させましょう。もちろん、この言葉を使う際は冷静に伝えることが大切で、感情的な表現は避けるべきです。
恐怖を感じている
ストーカーが女性の場合、「恐怖を感じている」と伝えることも効果が期待できるでしょう。この言葉を使うことで、相手が自分の行動が相手に不安や恐怖を与えていることを認識させることができます。特に、ストーカー行為がエスカレートしている場合には、感情的な表現を避けつつ、ストーカーが自分の行動を見直すきっかけを与えることが重要です。
ストーカーに対処する際に避けるべき行動
ストーカー被害に遭っている場合、適切な対処をしなければ大きな事件につながりかねません。そのため、ストーカーに対処する際は次のような行動は避けましょう。
- 過剰に反応する
- SNSで拡散する
- 無視する
- すぐ警察をチラつかせる
過剰に反応する
ストーカーからの接触に過剰に反応することは、相手に期待を持たせ、行動をエスカレートさせる原因になります。ストーカー行為は、相手が自分の反応を求めて行っていることが多いため、感情的に過剰に反応してしまうと、相手が自分の行動を正当化してしまう可能性があります。
また、過剰に反応することで、ストーカーに対して自分の心情が伝わり、さらに執拗に接触してくる恐れもあるでしょう。そのため、冷静に対応し、感情を抑えることが重要です。
SNSで拡散する


SNSでストーカー行為を公表することは、一時的な発散にはなるかもしれませんが、長期的には事態を悪化させる可能性があります。ストーカー行為をSNSで拡散すると、相手が恥をかかせられたと感じ、報復的な行動に出る恐れがあるためです。反対にストーカーによっては好意を抱かれていると混同するケースもあるでしょう。
また、SNS上での拡散により、周囲の人々が巻き込まれるリスクもあります。自分はもちろん、周囲の人のプライバシーを守るためには、SNSでの発信は控え、専門機関や法律の専門家に相談することが賢明です。
無視する
ストーカーに対して無視することは、一見すると効果的に思えるかもしれませんが、無視を続けることで相手がますますエスカレートする可能性もあります。無視されることで相手は自分の行動に効果があると感じ、さらに接触してくる可能性があるでしょう。
ストーカーに対しては、無視をすることよりも、きっぱりと自分の意思を伝えるほうが、相手が自分の境界線を理解するのに役立つ場合があります。無視することで相手に対して対話のチャンスを与えないため、無理に接触を避ける場合には、他の方法を検討しましょう。
すぐ警察をチラつかせる
警察をすぐにチラつかせることは、相手を激しく反発させる原因となり、事態を悪化させる恐れがあります。特にストーカー行為が初期段階の場合、過度に警察を持ち出すのは逆効果です。状況が冷静に対処される前に相手の行動がエスカレートする原因になってしまうでしょう。
また、警察を呼ぶことを安易に伝えることで、相手が「自分はそこまで追い詰められていない」と感じることもあります。警察に相談することは重要ですが、冷静に状況を見極め、専門機関に助けを求める方が効果的です。
ストーカー被害を防ぐ方法
ストーカーに悩まされることを防ぐためには、日頃からの予防策と早期の対応が重要です。ストーカー行為は、些細な接触や情報の漏れから始まり、次第にエスカレートするのが一般的なため、次のような方法で被害を防ぎましょう。
- 個人情報を丁寧に扱う
- 一人の行動を防ぐ
- 相談できる専門機関を把握する
個人情報を丁寧に扱う
ストーカー行為は、個人情報が漏洩することから始まることがよくあります。SNSやインターネットでの情報発信は便利ですが、情報を公開する範囲については十分に注意が必要です。例えば、住所や電話番号などの個人情報は、簡単に外部に漏れないように管理することが重要です。
また、SNSの設定で公開範囲を制限することや、不要な情報を公開しないことを意識することで、ストーカー行為のリスクを減らすことができます。さらに、身近な人たちに対しても、自分のプライバシーを守るために情報管理を徹底するように話すことが大切です。
一人の行動を防ぐ


ストーカーの多くは、相手の動きや行動を追いかけることから始まります。特に一人でいる時間や行動が多いと、ストーカー行為に巻き込まれるリスクが高まってしまうでしょう。自分の行動範囲や時間帯に注意を払い、安全な場所で過ごすことが重要です。
例えば、帰宅時に後ろからつけられていると感じた場合、誰かに連絡を取るか、公共の場に立ち寄るなどして、安全を確保しましょう。
また、特定の場所でよく会う相手に気づいた場合、距離を置くための行動を取ることも予防策として効果的です。安全を守るためには、警戒心を高めて、必要に応じて周囲と協力することが求められます。
相談できる専門機関を把握する
ストーカー行為に遭った際、適切な対応をするためには専門機関への相談が不可欠です。専門的なサポートを受けることで、ストーカー行為の証拠を集めたり、法的手続きを進めたりすることが可能になります。
例えば、ストーカー行為に関する法律や対処方法については、弁護士や警察などの専門家からのアドバイスを受けることが重要です。
警察に相談する場合、以下のようなことを質問されるため、可能な範囲で情報を集めておきましょう。(※1)
質問事項 | 具体例 |
---|---|
被害者について | ・住所や氏名、生年月日、職場など ・ケガの有無 ・今後希望すること ・避難先の有無 |
被害者と加害者の関係性について | ・知り合った経緯 ・いまどのような関係にあるのか |
相手(加害者)について | ・住所や氏名、職場など ・性格 ・相手が不明な場合、心当たりがあるのか |
被害者と加害者のトラブルについて | ・どのようなトラブル、被害があるのか ・暴力や器物破損、脅迫があったか ・相手からされたことの記録はあるのか |
相談者について(相談者と被害者が異なる場合) | ・住所や氏名、生年月日、職場など ・被害者と相手との関係 |
上記から分かるとおり、警察に相談する際はストーカー被害の証拠の有無を質問される可能性があります。そのため、被害の証拠を収集しておきましょう。
なお、地域によっては、ストーカー行為に特化した相談窓口や支援団体も存在します。こうした機関と連携することで、問題がエスカレートする前に適切な対処ができます。早期に相談することで、被害を最小限に抑えることができるため、問題に直面した場合はすぐに相談先を確認しておきましょう。
警察に相談した際の対応
警察にストーカー被害を相談した場合、次のような対応を取ってくれるのが一般的です。(※1)
- 被害者が求める対応の意思決定サポート
- 被害防止の援助
- ストーカー規制法に基づく、禁止命令
- 暴行や傷害、脅迫などの被害に遭っている場合の刑事手続き
- 防犯指導
- 行為者(ストーカー)への指導
警察に相談に行く際はどのような対応を希望するのか明確にしておきましょう。
ストーカー被害に遭っているのであれば早めに対策を講じよう
ストーカーへの対応は、状況や相手の性別によって異なる適切な言葉を使うことが求められます。初期段階では冷静に「恋人がいる」や「忙しくて対応できない」と伝えることが効果的です。また、男女別で対応方法を工夫することも大切です。男性には感情を持たないことを明確にし、女性には法的なリスクを伝えましょう。
ストーカー被害に遭っているのであれば、早めに対策してエスカレーションを避けましょう。
警察をはじめとした専門機関に相談する際は、被害の証拠が必要です。
アイヴィ・サービスでは危険なストーカー行為の証拠の収集に対応しています。ストーカー被害でお悩みの方はぜひご相談ください。
(※1)警察庁:「ストーカー被害を未然に防ぐこと を目的とした、警察庁の情報発信ポータルサイトです。」